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脳外傷後にはアルツハイマー病のリスクが大きく増加する


今回は、交通事故や転倒・スポーツ等で脳を受傷した場合に、(外傷を直接の原因とはせずに)その後時間が経ってからアルツハイマー病のリスクが増加するのかを調べた研究をご紹介します。


外傷性脳損傷後のアルツハイマー病発症リスク


医療記録や医療保険のデータを用いた研究で、交通事故や転倒・暴行・スポーツによって頭部を受傷し、3次救急に搬送された5,642人が分析の対象となりました。


その後、アルツハイマー病を発症したのは30人でした。頭部を受傷した時やその後の特徴で、アルツハイマー病の発症がどのように影響を受けるのかを調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①受傷後の健忘を認めた場合には、アルツハイマー病への発症が約3倍に増加していました。

②画像検査で、受傷の際に脳血管性病変を認めた場合には、アルツハイマー病の発症が約4倍に増加していました。


つまり、“画像検査で血管病変を認めたり、健忘を来すような脳損傷があった場合には、その後アルツハイマー病のリスクが増加するかもしれない”ということです。


上記のような影響がどのような仕組みによるのかは不明ですが、比較的重度の頭部外傷を受傷した場合には、直接の影響だけではなく、長期的に認知機能変化に注意する必要がありそうです。


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