昔、ある人に「診断」なんかいらない、と言われたことがあります。
「診断」なんかつけてもらっても、しょうがない。医者の「診断」には中身がないと。
それは「診断」をつけられて、病気の名前を教えてもらっても、そっから先どうしたら良いのかが分からないという主旨だったと思います。
今回はこの「どうしたら良いのか」に徹底して応えようという本をご紹介します。
非常に多くの実例を準備し、読者の「困った」に当てはまる場合を見つけられるように配慮されています。
例として「3章 学校生活でのサポート実例」の目次を抜粋させてください。
障害のある子も、ない子も伸びるクラスに
・学級運営の戦略を客観的に考える
・まず、まわりの子どもを育てる
[ケース13]文字が読めない
[ケース14]文字が書けない
[ケース15]文字が整わない
[ケース16]文章が読めない
[ケース17]文章の中で漢字が書けない
[ケース18]計算ができない
[ケース19]算数の文章題が解けない
[ケース20]作文が書けない
[ケース21]黒板の文字を書き写さない
[ケース22]体育に参加しない
[ケース23]音楽の授業が苦手
[ケース24]図工の授業への参加が困難
[ケース25]休み時間に遊ばない
[ケース26]版活動・グループの話し合いに参加できない
[ケース27]離籍や飛び出しをする
[ケース28]全体に向けての話を聞けない
[ケース29]給食の時間に不適切な言動をする
[ケース30]そうじ当番をやらない
[ケース31]広い場所で問題行動が多くなる
[ケース32]運動会や発表会などが苦手
[ケース33]身のまわりの整理整頓ができない
[ケース34]体に触れられると怒る
[ケース35]決まりを守らない子を見逃すことができない
[ケース36]学校保育でトラブルを起こす
ケースの羅列が長くなってしまいましたが、この網羅性と読者の悩みにきめ細かく対応しようというこの本の姿勢を分かって頂きたくて長々と抜粋させて頂きました。
「診断」がいらないと言われないために、単なるレッテルに終わらないために、患者さんがそれからどのように生活していったら良いか提案できるように、診断の先を見据えた姿勢を大切にしたいと思わせる本でした。