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厳しい血圧管理が認知障害を減らす?


一日の中での最高値にもよりますが、通常収縮期(上の方の血圧)が140~150程度の血圧であれば、積極的に追加の降圧を図るのではなく経過をみることも多いと思われます。

以前から行われていた血圧に関する調査 Systolic Blood Pressure Interevention Trial (SPRINT) で、厳格な血圧管理が心臓疾患に及ぼす好影響については指摘されていました。

今回は、その調査の一環である SPRINT Memory and Cognition in Decreased Hypertension (SPRINT MIND) での結果を受けての発表です。

内容としては、厳しい血圧管理(収縮期120以下)と緩い管理(収縮期140以下)では、厳しい管理を行う方が19%も認知症(軽度の認知障害を含む)を低下させることが分かった、ということです。

血圧を下げ過ぎると倦怠感が出たり、時には循環不良やふらつき、転倒につながったりして、必ずしも副作用がゼロというわけではないので、ある程度血圧が下がったときに「これくらいの方が元気に過ごせるから、あまり血圧を下げ過ぎないようにしよう」という判断も経験的に妥当性があると思ってきました。

しかし、大規模な調査で明らかな証拠が出た時には、やはり方針をそれに合わせる必要があります。

高血圧は高齢者の6~7割に伴う疾患なので、こうした研究結果は大きなインパクトを持ちます。

今後も患者さんの長期的な利益につながる医学的証拠に基づいた医療が行えるように、結果を注視したいと思いました。

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