多剤併用や大量処方に伴う弊害が指摘されているにも関わらず、処方量がなかなか減らないという現実があります。
多剤や大量の処方になるのには、それなりの事情がある場合がほとんどです。
本当は最低限の処方が望ましいと認識しながらも、さまざまな制約から減薬のきっかけがつかめないでいる場合も多いように思います。
今回ご紹介するのは、プライマリケア医師(非専門医)の5%にあたるHigh-Volume Prescribers(大量処方医師)の処方量をいかに減らすかについての論文です。
同僚との比較を示す方法が過剰な処方を減少させる
調査結果によると、大量処方を行っている医師に(処方自体には正当な理由があるのかもしれないが)他の医師に比較してクエチアピンという向精神薬の処方量が多くなっている旨を示した手紙を送ることにより、11.1%の処方量減少が認められ、さらにこの現象は2年間は持続したとのことです。
同様の現象は大量処方が問題となっているオピオイド(麻薬性鎮痛剤)についても認められ、処方の減少に簡単な手紙が役立つことが示されていました。
他に選択肢が限られている著しい疼痛に対する麻薬性鎮痛剤の処方や理由のある大量の処方が一律にが批判されるべきではないと思います。
しかし、自分の処方が本当に正当性を持っているのか、手紙で促されなくても、常に検討を怠らないようにしたいと思いました。