うつ病の治療を中心とした認知行動療法の本は多いですが、パニック・強迫性障害まできちんと視野におさめた本はめずらしいです。
しかも、具体的にセッション(1回ごとの診察)でどのようなことがされるのか、標準的な流れが詳しく示されている等、概説というよりは実際のところが知りたい方に役にたちます。
それと、タイトルにもなっている「自分でできる」という部分ですが、PART4の「セルフカウンセリング」が秀逸で、一歩一歩カウンセラーが一緒にすすんでくれるような問いかけがなされています。
「やさしい治し方」というところも、全体の雰囲気を反映したタイトルと言えます。
イラストを用いた柔和な印象の紙面で、大きな文字、ページあたりの情報量はおさえめ、やさしい語りかけるような口調といった工夫が随所にみられます。
特に固い印象の本は苦手で、パニックや強迫性障害にも対応した本を探されている方にはおすすめです。