線維筋痛症に対する太極拳の効果
- もりさわメンタルクリニック(心療内科・精神科)
- 2018年8月28日
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線維筋痛症という病名を聞かれたことがあるでしょうか?
長期間継続する広範囲の痛みを特徴とする疾患で、高度の痛みが長い間続くため日常の活動や精神面への影響が深刻な障害として知られています。
薬剤が有効なこともありますが、十分な効果が認められないことも多く、非薬物療法として運動療法もすすめられています。
運動療法の中では有酸素運動(aerobic exercise)がすすめられることが多く、標準的な治療法として推薦されてきました。
今回は、有酸素運動よりも線維筋痛症に有効な運動があるかもしれないという論文です。
線維筋痛症に対する太極拳と有酸素運動の比較:有効性のランダム化比較試験
結果は、FIQRという線維筋痛症の重症度をしめすスコア(0~100の範囲、低いほど軽症)で、5.5ポイント太極拳の方が低く(24週の時点)、さらに長期になるともっと差がはっきりとして16.2ポイント低くなることが分かりました。
以前から心身のコントロールに有効といわれている太極拳ですが、強い痛みで苦しまれる方の多い線維筋痛症の症状軽減にも有効であることが分かりました。
太極拳のどのような要素が差を生み出しているのかまでは不明ですが、単なる運動というより精神の安定を図る点でもすすめられる健康法なので、より包括的な効果が期待できるのかもしれません。
線維筋痛症については、治療法が模索されている面があるので、少しでもより有効な治療法が見つかることがこれからも期待されます。
心療内科では原因不明の痛みを主な症状として来院される方も多いので、治療のヒントにさせてもらいたい内容の論文でした。