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もりさわメンタルクリニック

脳脊髄液の量と発達障害の関連


これまでに(それが原因という意味ではなく)自閉症スペクトラム障害で比較的分かりやすい(画像診断などで認知可能な)脳の異常が見いだされることがありました。

先行する研究では後に自閉症スペクトラム障害の診断を受けた児で、脳脊髄液の増加があることが示されています。また、自閉症スペクトラムの問題行動が出現するのに先行して脳脊髄液の増加が認められており、この増加が症状の一部の病態を説明するのではないかと期待されていました。

2~4歳の自閉症児における脳脊髄液の増加

今回の調査の目的は、先行する研究で示されていた自閉症スペクトラム障害における脳脊髄液の増加が他の集団でも広く認められるのかなどについて調べることでした。

結果としては、自閉症スペクトラム障害の児においては15%程度の脳脊髄液の増加を認め、また、この増加はより強い睡眠障害や非言語的能力の低さとも関連していました。

今回の調査でも先行する研究の結果が確かめられたことにより、脳脊髄液の増加が一部の自閉症スペクトラムの病態と結びついたバイオマーカー(客観的な診断の指標)となり得る可能性が出てきました。

発達障害の診断を客観的に行える指標が増えることは診断に説得力を増す上でどうしても必要なので、少しでもこのような研究が進んだことはとても嬉しく感じました。

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