様々な要素が認知機能低下に影響しそうであるとお伝えしてきました。
今回は、血液検査などでも数値として確認できる炎症の傾向が、中年後期からの認知機能低下に関係しているという内容の論文です。
中年期の炎症と20年間の認知機能変化
12,336人(男女ほぼ半数、平均56.8歳)が調査の対象となりました。
炎症の指標としてCRP、白血球、フィブリノーゲン等の値が測定され、認知機能検査が行われました。
20年間の追跡調査で、炎症の程度の評価と認知機能低下が関連することが示されました。
特にCRPの最も高い上位4分の1のグループでは、最も低いグループに比べると11.6%認知能力低下カーブの勾配が急になることが分かりました。
炎症と言っても、局所ではなく全身性の炎症なので、多くのものが要因になります。例として肥満、飽和脂肪酸、高血圧も炎症を引き起こすことが知られており、こういった意味からも日々の健康に気を付けるとともに、地中海食等への食事内容のシフトが有効である可能性があります。
運動が良い、厳しい血圧コントロールが良い等多くの認知機能に関する知見があり、迷ってしまいますが、少しずつできることでより良い方向への要素を増やすしかないかもしれません。