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もりさわメンタルクリニック

妊娠初期のビタミン摂取で発達障害(ASD)が減少する


以前から妊娠初期に葉酸のサプリメントを摂取すると、発達障害(ここでは自閉スペクトラム症:ASD)の危険率が減少することが指摘されて来ました。しかし、大きな規模での研究データにとぼしく、明確なかたちでビタミン摂取をおすすめできるというわけではありませんでした。

兄弟に発達障害の方がいる場合には下のお子さんが発達障害である可能性が通常の12倍になると言われます。今回ご紹介する研究は、上のお子さんにASD(自閉スペクトラム症)の診断がついていて、次のお子さんを妊娠された場合、妊娠中のビタミン摂取がどのような影響をもたらすかを調べた研究です。

妊娠期のビタミン摂取と下の兄弟における自閉スペクトラム症(ASD)の関連

ASDと診断されている年上の兄弟を持つ241名の子どもとその母親が調査の対象となりました。

結果として以下のようなことが示されました。

①妊娠初期にビタミン摂取を行っていた場合の方が、子どものASD罹患率が低い(ビタミン摂取した場合14.1% vs 摂取していない場合32.7%)

②ASDの診断がされた場合でもビタミンを摂取していた場合の方が、ASD症状の重症度が低く、認知能力を示すスコアも高かった。

上記のことから、上のお子さんがASD診断を受けていた次の子を妊娠した場合、1日600μg以上のマルチビタミンの摂取が望ましいとしています。

追試は必要かもしれませんが、推奨量のビタミン摂取が副作用を及ぼす可能性も少ないように思われ、特に妊娠初期には葉酸を含むマルチビタミンの摂取をすすめても良いのではないかと考えました。

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