シイタケなどのキノコの摂取が健康に良いことは様々側面から指摘されて来ました。特定の種類のキノコが、ダイエットに効果が高いとして、テレビなどでも取り上げられたこともありました。
今回は、シンガポールで行われた調査ですが、(種類を特定せず)キノコの摂取がかなり大きく認知症のリスクを減らせるのではないかという結果の紹介です。
キノコ消費と軽度認知障害の関連
Diet and Healthy Aging (DaHA)という研究に参加している60歳以上の663人(そのうち90人は軽度認知障害)が調査の対象となりました。
キノコの種類としては、golden, oyster, shiitake, white button, dried, button mushroomsといったものがあげられており、種類の限定はされていません。缶詰や乾物等を含めて、形態も自由として摂取のカウントをしています。
このような摂取状況と認知機能の調査で、週にキノコの摂取が1度未満の人と、週に2ポーション(1ポーションはおよそ150gくらい)以上のキノコを摂取する場合では認知機能低下のリスクに倍以上の開き(オッズ比:0.43)がありました。
つまり、キノコを比較的多く摂取する人では、そうでない人に比べて、認知機能低下が半分以下になるという結果でした。
その他の生活習慣等の要素については調整後の値であり、キノコ摂取の習慣が単独で良い影響を与えている可能性も高いと考えられます。
キノコには以前から抗酸化、抗炎症作用があり、これが神経保護的に働いている可能性があります。また、神経成長因子の働きを促進する影響もあり、様々なしくみが考えられます。
このような調査では、因果関係まで推定することは困難ですので、今後より詳しい研究が必要と考えられますが、現時点でもキノコ摂取の習慣は認知機能に良い影響がありそうだと考えることは可能と思われました。