就活に失敗した自分の娘について心配した漫画家の上大岡トメさんが、ひきこもりの相談所「結(ゆい)」に取材に行った内容を、エッセイマンガにしています。
ニート・ひきこもりの子どもを持つ親の会「結(ゆい)」は東京都立川市と神奈川県川崎市にあり、地域の方からの相談や最近ではスカイプを用いた遠方からの相談にも対応してくれるようです。(「あとがき」より)
上大岡さんのマンガは絵柄がなじみやすく、読んでいるとホッとします。
内容はとても具体的な対応が随所に書いてあり、現在困っている人が今日からやってみようと思える内容になっていると思います。
内容を概観すると以下のようになります。
第1章 今の子どもたちを取り巻く現状とは?
第2章 子どもが引きこもり ニートになりやすい 親の特徴って?
第3章 こうしてみんな立ち直った! エネルギーのある子 ない子
第4章 予期せぬ風で立ち直る
まとめ 覚えておきたい大切なこと
①子どもの人生は子どものもの
②いい母親像に縛られない それは幻想……
③子どもが生きる時代は新しい時代
④子どもの先ばかり見ない 今を見る
⑤親子の間に以心伝心はない
⑥3Hを言うと3Dで返ってくる
⑦母親は自分の人生を生きる
⑧子どもの伴走をし 信頼する
特に信頼関係を作るための関わりとして
<会話が全くない場合>
①お母さんがコドモに聞こえるようにひたすらつぶやく
聞こえるようにウワサ話でほめる
<何か話しかけてきたら>
②絶対途中で口をはさまない
3H(否定・批判・非難)を言わない 3D(でも・だって・どうせ)で返ってくる
<その後>
③いちいち干渉しない
④先まわりをしてあれこれやらない
18歳になったらコドモにあらかじめ宣言することが大事
多くの相談事例が載せられており、「このように立ち直った」というイメージが持ちやすく構成されています。
毎日の対応に苦慮されている父母や援助者の方たちにとって非常に参考になる内容だと思いました。