物質使用による影響と言っても様々で、アルコールやマリファナ、その他の薬剤など各々で影響が異なることが知られています。
以前に、一度のマリファナ使用が脳に与える影響について紹介しました。(記事:一度の大麻使用が脳に与える影響)
今回は、思春期におけるアルコールやマリファナの使用が認知機能にどのような影響を与えるのか調べた研究をご紹介します。
物質使用と思春期の認知機能との関係についての人口ベース分析
カナダにおける研究で、31の学校に所属する第7学年の生徒3826人が調査の対象となりました。
4年に渡って毎年、アルコールとマリファナの使用、認知機能について調べた結果、まず、アルコールとマリファナ使用に共通の悪影響が多くの領域(今回調べたのは、想起、抽象的思考、抑制、作動記憶)に出現していました。
また、マリファナのみで神経毒性によると考えられる継続した影響が認められました。
具体的には使用をやめた後にも、抑制・作動記憶等の低下が認められ、これはアルコール使用の有無とは関係なく生じていました。
物質関連障害といっても、その影響について一概に言えず、一時の使用がその後の生活に悪影響を及ぼすこともあるようです。
各薬物の特性に沿った危険性を認識し、説明に生かしながら、より原因に近い部分での治療を行いたいと感じました。