発達障害の原因:遺伝と胎内環境の要因
- もりさわメンタルクリニック
- 2019年7月19日
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発達障害の原因について……遺伝か、環境か?
単純な話ではないとしても、大まかな要因だけでも知りたいと思います。
今回は、遺伝が関与すると考えられる割合と環境の中でも妊娠中の胎内環境に焦点をあてた大規模研究についてご紹介します。
5か国のコホートにおける自閉症の遺伝と環境要因
フィンランド、デンマーク、スウェーデン、イスラエル、オーストラリアの200万人以上が調査の対象となりました。
結果として、国ごとにばらつきはあるものの遺伝率(遺伝的要因の重要性を図る尺度)は概ね80%程度であり、これは自閉症スペクトラムの発症に関して遺伝的要因が大きな部分を占めている可能性を示しています。
これに対して妊娠中の環境的要因に関しては、影響を与えていると考えられるような関連性は見出されませんでした。
少なくとも、今回の調査の結果では、自閉症スペクトラム障害の発症はほとんど遺伝的要因によるのではないかという結果になりました。
発症に関しては遺伝的要因が大きいのかもしれませんが、後天的な神経発達が認められる可能性も示されており、治療の余地がないという意味ではないと考えられます。
このような証拠は慎重に解釈するべきであるように思いました。