親の世代における様々な物質への暴露が、子どもの発達障害に影響するのではないかと言われています。
今日は、父母が特に職業上どのような物質に接してきたのか、それが子どもの自閉症スペクトラムとどのように関連しているのか調べた研究をご紹介します。
両親の職業的な物質暴露と自閉症スペクトラムとの関連評価
750人の母親と891人の父親が調査の対象となりました。
特に神経発達との関連が示唆されている16の物質について、今までに接したことがあるか、妊娠中の暴露があったかが調査されました。
16の物質の内容として、薬剤、金属、殺虫剤、麻酔薬、アスファルト、ブレーキオイル、プラスチック、ポリマー、放射線、洗浄剤、溶剤(塗料や油脂洗浄剤)が含まれています。
これらのうち、特に母親の溶剤暴露について、子どもの自閉症スペクトラムが50%増えること、さらに暴露の頻度が上昇すると85%まで発症リスクの増加があることが示されました。
この研究は、溶剤と自閉症スペクトラム発症の因果関係を証明するものではないので、慎重に結果を解釈する必要があると思われます。
しかし、妊娠中やこれから妊娠する可能性のある女性においては、溶剤への暴露を避けるか、最低限にする方向が安全であるとも考えられました。