症状経過を予測するための様々な方法が検討されています。
治療方針の検討等に利用でき、メリットが大きいと思うのですが、感覚的なもの以外、指標に乏しいのが現状です。
今回は、認知能力に関する課題を行った際の脳の反応性を画像で調べ、それが精神病(統合失調症)症状の経過に予測できないか調べた研究をご紹介します。
前頭頭頂葉の課題に関連した反応性を精神病の臨床的改善予測に生かす
最近(2年以内に)、精神病(統合失調症)を発症した82名が調査の対象となりました。
認知能力に関連する課題を行った際の、機能的MRIの測定値(脳の課題に対する反応性を数値的に把握するもの)を測定し、その後の臨床的経過を調べました。
結果として、発症して間もない頃の脳の反応性が、その後の症状経過(ここではBPRSという症状の指標で20%以上の低下を“改善”として評価)を高い精度で予測していました。
このような体に侵襲を与えない検査で治療効果予測が得られることが、今後の研究でさらに明らかになれば、実際の臨床に使用される時も近いように思われました。