アルツハイマー病の診断や予測のために参考となる指標(バイオマーカー)については、これまでにも複数回書かせて頂いてきました。
今回は、かなり決定的なほどの正確性をもった検査についてご紹介します。
コメントを見ると、今後のアルツハイマー病の診断過程を変える可能性のある存在(game changer)と目されているようです。
高い正確性をもった血清β‐アミロイド42/40検査が、現在と将来のアミロイド沈着を予測する
158人の認知的には支障の現れていない対象者に対して、①血清β‐アミロイド42/40検査: plasma β-amyloid (Aβ)42/Aβ40と、確認の標準となる検査として主に②amyloid PET を行いました。
今回の興味の対象は①の簡便な血液検査で、どれくらい②の費用が高く、実施可能施設が限定されるが、アミロイドの沈着(その後のアルツハイマー病の発症)を正確に診断できる検査の内容に迫れるか、ということになります。
結果として、①の検査はおよそ94%の割合で、②の検査と一致しており、非常に正確性が高いことが分かりました。
また、①の検査で陽性、②の検査で陰性であった場合でも、①が陰性の場合より陽性の場合のほうが15倍、その後②の検査が陽性となる可能性が高いことが示されました。
つまり、①の検査は現在のアルツハイマー病や将来のアルツハイマー病発症を予測する上で非常に有用であるというということになり、患者さんの大きなメリットになるのではないかと期待がもてる方法であると考えられました。