ガバペンチンという薬剤は抗てんかん薬ではありますが、時に依存症への効果が指摘されることがあります。
今回は、ガバペンチンがアルコール依存症に対してどのような効果をもっているのか調べた複数の研究を合わせた統合的な研究(メタ・アナリシス)について説明します。
アルコール依存症の飲酒欲求や離脱症状軽減に関するガバペンチンの効果
基準を満たした10の研究結果が統合され、分析が行われました。
効果を調べたグループ数等によっても相違がありましたが、概してガバペンチンは飲酒欲求の低下と離脱症状に軽減に大きな効果を持っていました。
アルコール依存症治療は、アルコール教育や自助グループへの参加等、心理的側面への働きかけを主とします。
そして、薬物治療に関しては気分の落ち込みや不安・不眠の軽減に抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬が用いられますが、飲酒欲求そのものに関する効果はあまり認められません。
今までの頻用される薬剤とはやや違った効果をもつものとして、補助的に用いることができれば、患者さんにとってメリットにつながる可能性があると思われました。