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もりさわメンタルクリニック

双極性障害と免疫機能の活性


精神疾患の多くに認められる最近の傾向ですが、最近、双極性障害についても感染症に関連した免疫系の活性化や炎症との関連が指摘されています。

本日は、一般的な感染症による免疫系の活性化と双極性障害の関連について調べた研究をご紹介します。

サイトメガロウィルスとトキソプラズマの抗体価と双極性障害の関連

1207人の双極性障害患者と745人の対照群について、血清サンプルが採取され、一般的な感染症であるサイトメガロウィルス、トキソプラズマ、麻疹ウィルスについての抗体価や炎症の指標であるC反応蛋白(CRP)が測定されました。

結果として、サイトメガロウィルス抗体価の高値とトキソプラズマ抗体価の低値の組み合わせが、Ⅰ型双極性障害、19歳以降の発症、躁病期の精神病性症状と関連していました。

上記のような指標の組み合わせの背景にどのような免疫系の変化があるのかは、今後明らかにする必要があると思われますが、免疫の状態と双極性障害の傾向との間には何らかの関連がありそうです。

感染症が大きな原因の一つであると分かると、抗生(ウィルス)剤投与等の比較的シンプルな対応が可能である場合もあります。今後の知見の集積がより期待される領域であると思われました。

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