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もりさわメンタルクリニック

アルコール摂取と認知症との関係


アルコールの多飲が(因果関係のしくみに関しては議論がありますが)認知能力低下と関連がある点に関しては異論が少ないと思われます。

しかし、少量(適度?)のアルコール摂取が実際のところ、認知症発症に影響を与えるのか、あるいは、認知症を少なくするのかはっきりしません。

今回は、認知症がない状態とすでに軽度の認知能力低下が始まっている場合とに分けて、アルコール摂取の認知症発症への影響を調べた研究をご紹介します。

軽度認知障害を伴う場合と伴わない場合におけるアルコール消費と認知症/認知能力低下のリスク

3021人(平均78歳)の高齢者が対象となりました。自記入式のアルコール消費に関するアンケートと認知能力検査が行われました。

結果として、まず、少しでも認知症が始まっている場合には週に14単位(1単位は1ボトルのビールや6オンスグラスのワインに相当)以上の飲酒は6年間追跡した場合の認知症発症リスクを1.72倍にしていました。

また、7~14単位の飲酒は、飲酒量が1単位未満と比べて、まだ認知症がない場合は発症リスクを0.63倍、軽度の認知能力低下が始まっている場合でも0.93倍と低下させていました。

つまり、

①軽度でも認知症が始まっている場合には、週に1日に2本以上の壜ビール等の多めのアルコールは良くない。

②1日に1本くらいのビールなら、ほとんど飲まない場合よりも認知症が少なくなるかもしれない。

今のところアルコールの影響について、適度な飲酒については、悪影響ではない(むしろ少し認知症を減らす)という結果のようです。

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