ADHDの治療ガイドライン2019年度版が、米国小児科学会の雑誌『小児科学』で発表されました。
児童思春期ADHDの診断・評価・治療に関する臨床実践ガイドライン
ガイドラインの中で勧められている治療の概略は以前と大きく変わっていないのですが、特に今回の改定では、医学・心理の専門家、家族、学校の協力体制を基礎とする治療が重要であると強調されています。
また、評価・治療・モニタリングは継続的な過程であることが述べられており、児童思春期の全経過を通して変化し続ける病態に対応しながら、評価が繰り返され、治療は修正され、その後の変化がモニタリングされ続けるべきであるとされています。
また、著者は医療による継続的な治療と学校活動・地域住民との調和の必要性についても強調しています。
そして、推奨される行動として、4歳または5歳における、ADHD行動についての親の教育や教室での行動に関する介入がすすめられています。
薬剤についても検討はされますが、まずfirst-line(最初に優先されるべき方針)として上記のような非薬物の対応がすすめられており、今後は今までよりもさらに、医療機関・家庭・学校の連携が優先されるべきであると考えられました。