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もりさわメンタルクリニック

アルコール依存症へのメールを介した治療


以前に自殺・自傷に関しても定期的なメッセージの効果について論文をご紹介したことがあります。

通常の診察に加えてテキストメッセージを送り、見守る他者の存在を伝えるだけでも広範な効果があるようです。

うつが合併したアルコール使用障害:回復援助におけるテキストメッセージの有効性について

95人のうつを合併したアルコール使用障害の患者が調査の対象となりました。全員が30日間のリハビリテーションプログラムを経た後、メールでのメッセージを毎日2回6ヶ月間受け取るグループと通常の治療のみを行うグループに分けられました。

メッセージを毎日受け取っていたグループでは、まず、3ヶ月目の時点でうつ症状と自覚的なストレスとが、通常の診察だけの場合に比べて明らかに改善していました。

他にも、長期的に(メッセージの送信が終了してから6ヶ月を経過した後でも)、飲酒量の軽減がより大きいという結果がありましたが、同じ時期にうつ症状について調べても、通常の治療との大きな違いはなくなっていました。

つまり、飲酒量については長期的な効果があり、気分についてはメッセージを送信している間の短期的な効果にとどまることが示されました。

効果に関して、必ずしも万能ではないかもしれませんが、テキストメッセージを送るような間接的な方法であっても、気にかける援助者の存在を伝えることは、精神状態や習慣の変化に良い影響を与え得ると考えられました。

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