以前にご紹介した漫画家である母とADHDの息子の日常を描いた『うちの子はADHD』の続編です。
前作が、小学校の低学年(障害について診断を受けた小学4年生頃まで)が中心だったのに対して、今作は中学時代のいわゆる「反抗期」が中心です。
ある頃に境に、親に対する言葉遣いが乱暴になり、「どうしたんだんろう? 機嫌が悪いのかな?」と思っているうちに、不機嫌がいつもの状態になっていきます。
表紙裏の4コマに書かれている言葉
「一日の中で7割きげんが悪い……口を開けば邪悪なことばかり……(昔の)あの子はもういない……息子がたくましく(にくらしく)成長していくマンガです」
は思春期の子どもをもつ(もっていた)親ならば、共感をもてる内容ではないでしょうか?
描かれている親子の争いは壮絶な場面もあり、激しい口論の末に母が息子にバケツで水をかけ「いいよ起きてろお前の布団は捨てっから このまま風邪ひいて死んじまえっ」というシーンは、本当に親子双方にとってこたえた体験であったはずです。
そのようなつらい場面やかなしい気持ちでも、明るい絵で、面白い部分を同時に探しながら描かれているので、救われるような気がします。
そして、どんなに打ちひしがれても、基本的にはウチにこもり過ぎずに、周囲に助けられながら、乗り切っていく姿に、心が温まります。
最後のQ & Aも、ADHDのお子さんをもつ親御さんの悩みに答える内容となっていて非常に参考になると思われます。
繰り返し読んで、勉強になると同時に慰められる部分のある本だと感じました。