PTSDに対しては認知行動療法や抗うつ薬の有効性が確認されていますが、他にも眼球運動を用いたEMDR等一般には馴染みの薄い様々な治療法が試みられています。
今回は、“星状神経節ブロック”と呼ばれる、通常は痛みに対して行われる麻酔科的治療法のPTSDに対する効果を調べた論文をご紹介します。
Effect of Stellate Ganglion Block Treatment on Posttraumatic Stress Disorder Symptoms A Randomized Clinical Trial
PTSDに対する星状神経節ブロックの効果
基準を満たす113人のPTSD患者(平均37.3歳、100人が男性)が調査の対象となりました。
そして、ランダムに星状神経節ブロックを行うグループと偽刺激を行うグループとに分け、2週の間隔をあけて2回治療を行った結果を比較したました。
PTSDの症状評価を行うためのスケール:Clinician-Administered PTSD Scale for DSM-5 (CAPS-5)で評価をしたところ、星状神経節ブロックを行ったグループでは12.6ポイントの低下(症状改善)が得られ。偽刺激では6.1ポイントの低下にとどまっていまいた。
PTSDにおいては、様々な症状形成の仕組みが示されており、このような神経学的側面からのアプローチ等、さらに多くの有効な治療法が登場する可能性があると考えられました。