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アルコール離脱時のけいれん発作


アルコール依存症の方で、けいれん発作を起こすことがあります。

多くの場合には、急な断酒などの際に生じますが、入院の場合にはこれを警戒して、アルコールと同じ受容体に効く抗不安薬投与など、けいれんを予防するための措置を検討します。

今回は、経験することの多い病態であるにも関わらず、どのように予測したら良いのか分からないアルコール関連のけいれんについて、アルコール依存症の中でもどのような特徴をもつ方たちに多いのか調べた研究をご紹介します。

アルコール関連のけいれん発作を起こす患者は特別な性質をもっているか?

144人のアルコール依存症患者について、アルコール関連のけいれん発作を起こしたことがあるグループと、起こしたことがないグループに分けて、その特徴を調べました。

けいれん発作を起こしたグループには、以下のような特徴が見出されました。

①乱用や依存がより早い年齢から始まっていること

②アルコールからの離脱を図った回数が多いこと

③アルコール依存症の症状がより重症であること

④家族内により多くのアルコール依存症者がいること

上記のような特徴がある場合には、離脱時をはじめとするアルコール依存症の経過中に、けいれん発作に関する注意をより綿密に行う必要があると思われます。

けいれん発作は通常、抗けいれん薬の投与などで治療可能なことが多いのですが、中には呼吸が抑制され、生命に危険を及ぼすこともあります。

アルコール依存症からの回復の過程を支えるために、より個別性を意識して治療方針の検討を行う必要を感じました。

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