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もりさわメンタルクリニック

早期アルツハイマー病の新薬で、効果が確認できず


臨床試験の中止自体はずっと以前にされていましたが、今回早期アルツハイマー病の新薬として進行抑制の効果を期待されていた“ラナベスタット”の薬剤の試験の結果に関する論文があったのでご紹介します。

“ラナベスタット”の効果は、現在流通している薬剤と異なり、アルツハイマー病の病態でも主要な部分であるβ‐アミロイドの蓄積を阻害する効果があるとされており、臨床的にも効果が期待されていました。

早期アルツハイマー病に対する“ラナベスタット”の有効性と安全性

二つの試験(AMARANTH and DAYBREAK-ALZ)について、早期のアルツハイマー病2218人、もう一つの試験では1722人が対象でした。いずれも世界各国の多施設にまたがる二重盲検の試験(投与する方もされる方も実薬か分からない試験)でした。

対象者は“ラナベスタット”20mg/日と50mg/日、それから偽薬の3グループに分けられ、100週以上の効果を測定し、有効性の判定を行いました。

いずれの試験でも、重篤な副作用は認められず、安全性の評価は高かったのですが、アルツハイマー病の症状の軽減は認めず、どの用量においても、偽薬との明らかな差異は認められませんでした。

アルツハイマー病の新薬の開発は、アルツハイマー病の症状が現れるまでのどのポイントを薬剤の効果発現のステージに選ぶかで、大きく方向性が分かれます。

今後も様々なポイントを狙った薬剤の開発が進むと思われ、新たな治療の選択肢ができることが望まれます。

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