マインドフルネス等を含む身体的アプローチを伴う方法がうつ病や不安に有効であることが、示されてきました。
今回は特に、インドのアイアンガーによって考案されたヨガのメソッドであるアイアンガー・ヨガとcoherent breathingと呼ばれる呼吸法を組み合わせて、最適な実施量(時間や回数)について知ろうとした論文をご紹介します。
うつ病と診断された32人(18歳から65歳)が調査の対象となりました。
そして、ヨガと呼吸法の実施量について高いグループと低いグループに分けて、その効果を比較しました。
実施量の高低グループの内容は以下のようになります。
高いグループ:週に3回のヨガクラス(90分)と4回の自習セッション(30分)
低いグループ:週に2回のヨガクラス(90分)と3回の自習セッション(30分)
これらのやり方について、開始前、開始後4・8,・12週のポジティブな心理、不安、気分の落ち込み等に関する調査を行いました。
結果、両方のやり方で開始前よりも大きな改善を認めていました。さらに、実施量に関しても高いグループの方が高い効果を認めていましたが、少人数での調査であったため、統計的に意味のある差であるという判定には至りませんでした。
ただし、累積的なヨガの実施時間と改善の程度には関連を認めており、全体的な傾向としては、(少なくとも今回の設定範囲での)実施量が高いほうがより高い効果が期待できることが分かりました。
生活上の制限等はあると思われますが、うつ病の治療においては、上記のようなヨガや呼吸法をはじめとする身体的なアプローチを高頻度で行うことが有効であると考えられました。