ADHD(またはADHD治療薬)と片頭痛が関連する可能性について指摘されてきました。
今回は、年代ごとにADHDと片頭痛との関連を、治療薬の累積使用量との関連も含めて調べた研究をご紹介します。
注意欠陥多動障害と片頭痛のリスク
台湾における研究で、全国規模の健康情報(Taiwan National Health Insurance Database)を使用し、81,441人のADHD罹患者と条件を適合させた対照の参加者が研究に含まれました。
2001~2009年の経過で、ADHDの有無による片頭痛発症リスクについて調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①ADHDの場合は、ADHDがない場合よりも、片頭痛の発症が多くなっていました(発症率で比較すると、ADHD0.6% vs 非ADHD0.3%)。
②影響しそうな他の因子を調整したあとでの片頭痛のハザード比はADHD/非ADHDで1.92倍でした。年代別では子ども(12歳未満)2.01倍、思春期(12~17歳)1.94倍、青年(18~29歳)1.31倍となっていました。
③ADHD治療薬の累積処方量と片頭痛発症との関連は明らかではありませんでした。
つまり、“ADHDがあると特に若い年代で片頭痛の発症が2倍程度多くなるかもしれない。これは薬剤の使用量とは関係がない可能性が高い。”と言えそうです。
ADHDの場合には、片頭痛の発症にも留意しながら観察し、薬剤の影響によるかは慎重に判断したいと思いました。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
rTMS治療:
YouTubeチャンネル(オンライン講座):https://www.youtube.com/channel/UCd8RS50q_Ol_x82AL9hhziQ
Comments