自閉症スペクトラム障害(ASD)は社会性・コミュニケーションの障害が主体で、注意欠陥多動性障害(ADHD)は不注意・落ち着きのなさや衝動性が強い障害として知られています。
傾向からの推測ですが、ASDの方が対人関係上の不適応からうつを来しやすく、ADHDの方が行動上の問題が多いというイメージがあります。
今回は、ASD傾向とADHD傾向のどちらがより強くうつや不安などの内面的な問題(internalising disorders)と関連するかを調べた研究をご紹介します。
Attention-deficit hyperactivity disorder traits are a more important predictor of internalising problems than autistic traits
注意欠陥多動傾向の方が自閉的傾向よりも内面的問題の予測因子となる
イギリスの成人504人(49%が男性)を対象とした研究で、自己報告でのASD傾向とADHD傾向が、どの程度うつや不安に影響を与えるのかを調べました。
結果として、ADHD傾向の方がより強く、うつや不安が生じる予測因子となっており、この傾向は複数の分析結果、付随する要素を調整した後でも一貫していました。
要約:『ADHD傾向は、ASD傾向よりも、その後のうつや不安を予測するかもしれない』
ASDとADHDは合併する場合も多く、症例ごとで傾向の割合も異なりますが、ADHDの行動面のみに注目するのではなく、内面的問題にも注意が必要であると思われました。
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