ADHDの治療にの“中枢刺激薬”が用いられることがあります。しかし、この種の薬剤の効果には個人によって大きな差があります。
今回は、中枢刺激薬の効果がある場合とそうでない場合で脳内のネットワークにどのような違いがあるのか調べた研究をご紹介します。
A Longitudinal Study of Resting-State Connectivity and Response to Psychostimulant Treatment in ADHD
安静時のネットワーク結合とADHD治療薬に対する反応
ADHD罹患者110人(平均10.83歳)、比較対象として定型発達者142人(平均10.49歳)が研究の対象となりました。
6~17歳にわたって複数回、脳の機能的画像検査を行い、症状(薬物の効果)と脳ネットワークの状態との関連を調べました。
結果として、特に帯状回-弁蓋部の回路の状態と治療反応性に明らかな関連を認めました。具体的には、治療の反応性が悪い場合には、典型的ではない結合の増加を認めました。
つまり、“薬剤の効果があるとネットワークの状態が定型に近くなり、効果がないと典型とは異なる結合となる”ことが示されました。
ADHD治療薬の長期的効果がネットワークの状態によって客観的に確かめられることを示した研究でした。
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