特に中枢刺激性のADHD治療薬で動悸や血圧上昇等の循環器に関連する副作用を認めることがあります。
今回は、中枢刺激性も、非刺激性も合わせて、ADHD治療薬の循環器関連の影響を調べた研究(メタ・アナリシス)をご紹介します。
Cardiovascular Effects of Stimulant and Non-Stimulant Medication for Children and Adolescents with ADHD: A Systematic Review and Meta-Analysis of Trials of Methylphenidate, Amphetamines and Atomoxetine
中枢刺激性/非刺激性ADHD治療薬の循環器への影響
0から18歳のADHD罹患者を対象に、ADHD治療薬(中枢刺激性/非刺激性)に関して、循環器関連の副作用を調べた研究:合計18本、メチルフェニデートニデート(以下、MPH)10本、アンフェタミン(以下、AMP)5本、アトモキセチン(以下、ATX)7本が分析に含まれました。
参加者の合計は5,837人(80.7%が男性)で平均の観察期間は28.7週でした。
結果として、以下の内容が示されました。
・上記3種(MPH、AMP、ATX)とも、わずかですが統計的に意味のある収縮期血圧の上昇を認めました。
・AMPとATXでは、拡張期血圧と心拍数の上昇も認めていました。
・737人(12.6%)では、その他の循環器関連症状を認めていました。循環器症状全体で大半は自然に軽快していました。薬剤の種類で重症度に差はありませんでした。
要約:『ADHD治療薬では循環器関連の副作用を認めるが、中枢刺激薬に限定されるものではなく、薬剤による影響の大きさに差異は少ない』
若年から始めた場合に長期にわたる影響が懸念されるため、血圧や心拍数のモニターは必要であると感じました。
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