アルツハイマー病の発症に関連する遺伝子としてアポリポタンパクE(APOE)遺伝子が広く知られています。
今回は、APOE遺伝子の近隣にある別の遺伝子も、APOE遺伝子とは別にアルツハイマー病発症に関連しているのではないか、という内容の論文をご紹介します。
18,795人(9,704人のアルツハイマー病罹患者を含む)の遺伝子データが分析されました。
APOEのタイプとしてε(イプシロン)2、ε3、ε4が知られており、特にε4が2つ揃ったε4/ε4の遺伝子型がアルツハイマー病発症のリスクが高いとされています。
今回はこのようなAPOE遺伝子とは関係なく、近隣の遺伝子変異(バリエーション)がアルツハイマー病の発症に影響を与えるかを調べました。
結果として、ε4/ε4の場合のrs2075650という遺伝子変異(リスクの目安となるオッズ比1.33倍)、ε3/ε3の場合のrs192879175(オッズ比0.50倍)がアルツハイマー病の発症リスクに影響を与えていました。
つまり、今までに知られている遺伝子以外にもアルツハイマー病の発症に影響を与えている遺伝子が存在する可能性が示されました。
現在、認知症発症の遺伝学的評価としてAPOE遺伝子が良く知られていますが、もっと多様な遺伝子について検討する必要があるのかも知れません。
#アルツハイマー病
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