肺気腫や慢性気管支炎などのCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は主として喫煙などの有害物質による炎症が原因となることが多く、重症となると肺の構造(肺胞)が大きく変化してしまう疾患です。
今回は、比較的安定した状態にあるCOPDで睡眠障害が存在するか、それと精神状態等との関連を調べた研究をご紹介します。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者における睡眠障害と関連する要素
245人の比較的呼吸器症状が安定したCOPD患者が研究の対象となりまりました。
結果として、以下の内容が示されました。
①CASIS(慢性閉塞性肺疾患と喘息の睡眠への影響を調べる指標)で調べ、35.1%に睡眠の悪化(bad sleep)を認めました。
②また、上記のCASISと不安やうつの指標(HADS)、健康に関する生活の質を示す指標(HRQL)等との間には明らかな関連を認めました。
つまり、COPD(慢性閉塞性肺疾患)は睡眠状態だけではなく、それと関連して精神状態や生活の質といった全体的な悪影響を及ぼす要因となりうる、ということになります。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は喫煙を行う中年以降の男性に多い傾向があり、睡眠障害やうつ症状との関連においても注意が必要であると思われました。
#睡眠障害
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