成人のADHDに関する相談が増えています。
少し以前になりますが、WHOにより国際的診断基準のDSM-5に基づく質問リストが発表され、妥当性も検討され、優秀な結果となっています。
以下のような内容です。(訳はブログ著者)
※( )はその質問が基づいているDSM-5の項目
※質問の回答の仕方(番号)については質問票の中に具体的に指示がなく(数字をあてはめるのが困難な指示のみ存在)、ブログ著者で試案として数字に頻度を示す言葉をあてはめて表記してみました。
1.他の人があなたに直接話しかけたときに、どのくらいの頻度で言ってることに集中するのが難しくなりますか?(DSM-5 A1c)
⇒0~5で回答(0全くなし 1たまに 2時々 3良く 4とても良く 5ほとんどいつも)
2.話し合いなどの座っていた方が良いようなときに、どれくらいの頻度で席を離れてしまいますか?(DSM-5 A2b)
⇒0~5で回答(0全くなし 1たまに 2時々 3良く 4とても良く 5ほとんどいつも)
3.自分だけで過ごすときに、静かにくつろいだり、緊張せずに休んでいることができますか?(DSM-5 A2d)
⇒できない頻度を0~6で回答(0全くなし 1たまに 2時々 3良く 4とても良く 5ほとんどいつも 6常に必ず)
4.人が話している時に、どのくらいの頻度で話を差し挟んで相手の話の邪魔をしてしまいますか?(DSM-5 A2g)
⇒0~2で回答(0全くなし 1たまに/時々 2良く以上)
5.始めたことを最後までやらずにやめてしまうことがどれくらいありますか?(Non DSM-5)
⇒0~4で回答(0全くなし 1たまに 2時々 3良く 4とても良く以上)
6.自分の生活を成り立たせたり、細かいことに取り組むのにどれくらいの頻度で人に頼りますか?(Non DSM-5)
⇒0~3で回答(0全くなし 1たまに/時々 2良く 3とても良く以上)
以上6つの質問の回答の合計(0~25点)が、 14点以上の場合を陽性とする(以下の論文で望ましいと示唆されていた閾値/境界)。
※臨床的には、日本語訳で妥当性の検討が行われたものを使用してください。
以上の質問項目(英語)の妥当性を評価した論文を以下にご紹介します。
DSM-5に基づく世界保健機関によるADHD自記入式スクリーニングテスト
論文中では陽性と陰性の境界を14点としたときに感受性(どれくらい漏れなくその疾患を陽性とできるかを示す値)が91.4%としており、6項目だけの簡便な質問項目としてすすめられています。
ある集団では陽性的中率(陽性と判定した場合に実際にその疾患である確率)が82.8%というデータもあり、短い時間で比較的正確にADHDを見分けるために、有用な検査であると言えるかもしれません。
#ADHD #発達障害
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