画像検査というと、単純X線、超音波検査、CT、MRIなどが有名ですが、最近脳や心臓の細胞の働きや物質の存在などが分かるPET:「ペット」(陽電子放出断層撮影)という方法も良く使われます。
一方、アルツハイマー型認知症では脳の細胞外に「アミロイド」、細胞内に「タウ蛋白」という物質がたまることが知られていて、すでにアミロイドの沈着を調べるアミロイドPETはその早期診断における有用性を認められています。
今回は、「タウ蛋白」の存在を利用したタウPETについて、その診断における有用性を調べた研究をご紹介します。
アルツハイマー病の鑑別におけるタウPET(RO948 F 18 )の診断的有用性
健常者、軽度認知障害、アルツハイマー病、アルツハイマー病以外の認知症を含んでいる613人(平均65.8歳、男性が46%)が調査の対象となりました。
結果として、タウPET(RO948 F 18 )はアルツハイマー病を正しく健常者や軽度認知障害から見分けるのに役立ち、今回の対象者に含まれていた他の脳変性疾患との鑑別にも有用であることが示されました。
特にMRIや髄液検査よりも、診断の正確さで勝っており、髄液検査が侵襲的であることを考えると、(コストや可能な施設が限られる等の問題はありますが)今後はこのような患者さんの体に負担の少ない早期発見のための検査法が可能になると望ましいと思われました。
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