心的外傷後ストレス障害(PTSD)について、疾患の中での異質性(heterogeneity)が指摘されています。
これは、例えば同じ治療を行っても、ある例では非常に効果があったのに、他の例では有効でなかった(あるいは副反応があった)等、大きく性質が異なっていることで、それらを同質のものとして扱うことに困難が生じている時に言われます。
今回はPTSDについて、同じ疾患でも性質の異なるサブグループ(部分集団)があるのではないかという内容の研究をご紹介します。
機能的神経接続の異常パターンでPTSDにおけるサブグループを明らかにする
未治療のPTSD患者87人が調査の対象となり、機能的MRIという脳の働きを知るための画像検査が施行されました。
機能的画像を分析した結果として、PTSDを脳の機能的側面の異なる2つのサブグループに分けることが可能でした。
これらは、PTSDの症状の中でもフラッシュバック等の再体験症状における性質が異なり、安静時の脳波でも把握が可能であるとのことでした。
臨床上、同じ診断であっても、同じ治療方針が有効でないことをしばしば経験します。
個人ごとに合った適切な治療を行うためにも、同一疾患内の「異質性」について認識し、個人ごとの疾患の性質について検討を行うことが大切であると思われました。
#PTSD
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