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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

PTSDの薬物療法(追加)




昨日は、PTSDの薬物療法について、セルトラリンの効果を調べた研究についてお伝えしました。


実際の臨床では、PTSDにSSRIを用いても効果は限定的か、ほとんど症状軽減の実感がないことを経験します。


今回は、セルトラリンにミルタザピンという抗うつ薬を追加した時に効果が増強されるのかを検証した研究をご紹介します。


COMBINED MIRTAZAPINE AND SSRI TREATMENT OF PTSD: A PLACEBO-CONTROLLED TRIAL


PTSDの診断基準を満たす36人が対象となりました。


セルトラリン+ミルタザピンまたは、セルトラリン+偽薬のグループに振りわけて、24週間で効果の違いを調べました。


結果として、以下の内容が示されました。


・PTSDの症状軽減とうつ症状の両方で、ミルタザピンを加えた場合の方が、明らかに効果が大きくなっていました。


・睡眠障害、性機能、生活の質、身体機能、精神機能において明らかな違いではありませんでしたが、ミルタザピンを加えた場合で、わずかに改善が大きい傾向がありました。


要約:『セルトラリンにミルタザピンを加えた場合の方が、セルトラリン単独よりも効果が大きい可能性がある』


うつ病治療において、SNRIとミルタザピンとの組み合わせで効果が大きくなることは以前から知られていますが、PTSD治療においてSSRIにミルタザピンを追加した場合にも有効性が高くなることが確認できる内容でした。

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