昨日は、子どものADHDと食行動制御の困難が関連することについてお伝えしました。
同じように衝動性を要素として持つならば、共通の薬剤が効果を持つかもしれないという考えが浮かびます。
今回は、日本では小児領域の抗ADHD薬であるリスデキサンフェタミンメシル酸塩(ビバンセ)の「過食症」への効果について調べた論文をご紹介します。
Efficacy and Safety of Lisdexamfetamine for Treatment of Adults With Moderate to Severe Binge-Eating Disorder A Randomized Clinical Trial
リスデキサンフェタミンのむちゃ食い障害に対する有効性と安全性
「過食症」の2つのグループ(およそ200人ずつ)について、偽薬と量の異なる抗ADHD薬を服用し、その有効性や安全性を調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①実際の薬を飲んだグループ(容量比較的多め)では、服薬を開始して11週のところで、週あたりの過食の日が1日以上減っていました。
②4週以上むちゃ食いをやめられている人の割合が多めの薬を飲んだグループでは偽薬に比べて倍くらいになっていました。(20%⇒40~50%)
特に30mg、50mg、70mgの用量のうち、50mgと70mgでは上記のような効果が現れており、むちゃ食いをやめるきっかけを得た人が多いことが分かります。
薬物療法の手立てが少ない領域なので、少しでも選択肢が増えてくれると有り難いと思いました。※ビバンセは現在、むちゃ食い障害を含む摂食障害に対しては処方できません。
#摂食障害 #ADHD
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