通常、認知の内容を問題とすることの多い「認知療法」と違って認知の働きに注目する「メタ認知療法」という心理療法があります。
例えば、「そのように考えることにはどのくらい根拠がありますか?」という問いが認知療法だとすると、メタ認知療法では、もっと認知の機能的側面に注目して「そのように考えることにはどのようなメリットがありますか?」という問いかけがあり得ます。
この「メタ認知療法」がうつ病の治療に有効か調べた研究をご紹介します。
うつ病に対するメタ認知療法
うつ病に罹患した39人をすぐにメタ認知療法を行うグループと待機するグループに振り分けました。
結果として、うつ症状と不安症状に対して比較的大きな差をもって効果が示されました(効果の量を示す統計的指標のdについて、うつ症状についてはd=2.51、不安についてはd=1.92)。
人間の思考や認知のどの側面に注目するかによって様々な心理療法がありますが、「メタ認知療法」や「メタ認知トレーニング」等(「メタ」とは「高次の」「~を超えた」等を意味する)といった「メタ認知」に注目する方法があり、有効な治療法として期待されています。
#うつ病
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