うつ病に罹患している場合には、アルコールをはじめとする物質乱用のリスクが高くなることが指摘されています。
少しでも気分や不眠を改善しようとする自己治療的意図がある場合も多いと思われますが、少なくとも長期的にみて問題を増やしてしまい、結果的にうつの治療自体にも悪影響が出てしまいます。
今回は、アメリカでのオピオイド(麻薬)使用に関して、うつ病がある場合とない場合とを比較した研究をご紹介します。
うつ病がある場合の麻薬使用(2005年から2016年にかけての変化)
20~59歳のアメリカの成人16,216人(48.9%が男性、平均39.12歳)が研究の対象となりました。
繰り返しの横断研究で、うつ症状の指標(PHQ-9)と月単位での麻薬使用、毎日の使用があったどうかを調べました。
結果として、以下のような内容が示されました。
①うつ病があった場合の麻薬使用(月単位での回答)は、うつ病がない場合と比較した比で2005~2006年:1.46倍⇒2015~2016年:2.30倍
②同様に毎日の使用があったどうかは、2005~2006年:1.37倍⇒2015~2016年:3.16倍
つまり、単純にうつ病があった場合ない場合に比べて2倍以上麻薬の使用が増えるのと、ここ10年くらいで、麻薬の使用頻度は大きく増加していると言えそうです。
うつ病がある場合には、物質使用(日本では特にアルコール使用)にも留意して治療を行うべきと思われる内容でした。
#物質依存 #うつ病
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