うつ病には、多くの要素が関連しており、一卵性双生児の発症一致率で示されるような生物学的な要因は4割程度と言われています。
また、心理的な原因以外にも、身体的な側面が発症に大きく影響するのではないかとも言われており、最近栄養不足や炎症との関連が指摘されています。
また、以前にうつ病と末梢の動脈硬化は直接的に関連すると指摘されたこともあります。
今回は、さらにこのうつ病と動脈硬化との関連が、生活習慣病によって介在されているのか、されているとしたらどの程度かを調べた研究をご紹介します。
うつ病、動脈硬化、生活習慣病の関連
イギリスの大規模な生物情報データベースを用いた研究で、40から69歳の124,445人が調査の対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
①うつ病と動脈硬化とは直接的な関連を示していた。
②上記のうち29%については生活習慣病(高血圧、脂質異常、腹囲増加)が介在因子となっていた。
③生活習慣病と炎症の有無(CRPの値)を組み合わせると介在されている割合は37%となっていた。
上記のように動脈硬化↔うつ病の関連性のうち1/3は、生活習慣病の存在によって說明される可能性が示されました。
詳しい仕組みまでは分かりませんが、うつ病は動脈硬化、生活習慣病、炎症といった身体的な要因と深い関連がありそうです。
うつ病の治療では、身体に影響を与える生活習慣の側面からも改善を検討することが望ましいと思われました。
#うつ病
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