以前からうつ症状があるときに心臓血管疾患が増えることが指摘されています。
今回は、国ごとに様々な条件のもと、この関連がどのように変化するのか調べた研究をご紹介します。
経済状況の異なる国々におけるうつ症状と心臓血管疾患(死亡率)の関連
様々な経済状況(平均収入が異なる)21の国において、145,862人(58%が男性、平均50.05歳)の都市部や農村(郊外)の住民が対象となりました。
結果として、以下のような内容が示されました。
①うつ症状がある場合、心臓血管疾患イベントのリスク/全ての原因での死亡率は上昇していました(1.14倍/1.17倍)。
②心臓血管疾患イベントと死亡率を併せた結果は、うつ症状の数が多いほうが多くなっていました。(例として、7つの症状で1.24倍、1つの症状で1.05倍)
③心臓血管疾患イベントと死亡率とを併せた結果について、経済状況による差はありませんでしたが、都市部と農村(郊外)では差が認められました。(農村1.10倍 vs 都市部1.27倍)
つまり、うつ症状の影響は今までに指摘されている通り、心臓血管疾患や死亡率を上昇させる方向に働き、それは経済状況によっては変わらないが、都市部の方がより顕著となる、ということのようです。
うつ症状を住環境や身体症状との関連を考慮しながら、検討する必要性を感じました。
#うつ病
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