けいれんや意識障害を主な症状とする神経疾患である“てんかん”には、不安やうつ、自殺の合併も多いことが知られています。
今回は若年者を対象として、てんかんに伴う精神症状に関する促進因子(症状を起こしたり、悪くしたりすること)や抑制因子(症状を予防したり、改善したりすること)を調べた研究をご紹介します。
てんかんに罹患した若年成人における社会心理的要因と不安・うつ・自殺の関連
てんかんに罹患した若年成人(18~25歳)144人が調査の対象となりました。
不安・うつ・自殺についての精神症状と、回避・問題解決・意味追求を中心とした対処の様式や家族や友人からのサポートの有無との関連を調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①回避を中心とする対処様式は、不安やうつ・自殺関連事象を増加させていました。
②問題解決や意味の追求を中心とする対処様式、家族や友人等からのサポートは、不安やうつ・自殺関連事象を減少させていました。
つまり、“てんかんに合併する精神症状も、対処様式やサポートの有無によって影響を受けやすい”ということが言えそうです。
身体疾患に合併した精神症状においても、個別性をに注目し、回避的な対処様式を持っている場合や、サポートが十分でない場合には特に注意が必要であると思われました。
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