動機付け面接や解決志向アプローチ等、アルコール使用障害への心理的アプローチには様々な方法が検討されてきました。
薬物療法に関しても、抗うつ薬の使用や、依存性を考慮しながらの抗不安薬・睡眠薬の使用が検討されることがあります。
今回は、シロシビン(マジックマッシュルームの成分)を補助として用いた心理療法が、アルコール使用障害(依存症)に有効か調べた研究をご紹介します。
Percentage of Heavy Drinking Days Following Psilocybin-Assisted Psychotherapy vs Placebo in the Treatment of Adult Patients With Alcohol Use Disorder
A Randomized Clinical Trial
シロシビン補助心理療法と対照としての偽薬補助によるアルコール使用障害への効果(過剰飲酒日数の割合)
1日あたり平均7ドリンク単位を消費するアルコール依存症の93人(平均46歳)が対象となりました。
およそ半数ずつ、シロシビン+心理療法と偽薬+心理療法のグループに分け、その後8ヶ月間の経過観察を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
・シロシビンを用いたグループでは過剰飲酒(5ドリンク単位以上の飲酒)の日が偽薬の場合に比較して、半分ほどに減少していました(日数の割合で偽薬23.6%→シロシビン9.7%)。
・偽薬のグループでは過剰飲酒の日が元に比べて51%減にとどまっていましたが、シロシビン併用では83%の減少を認めました。
要約:『アルコール使用障害へのシロシビンを併用した心理療法は、過剰飲酒の日を長期にわたって減少させる効果が期待できる』
幻覚剤というカテゴリーのイメージは良くないかもしれませんが、実質上これまで効果が限定的だった領域への有効性が期待できるのかもしれません。
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