昨日は高齢期におけるビタミンDサプリの量による認知機能への影響を調べた研究をご紹介しました。
今回は、アルツハイマー病の高齢者に対してビタミンDサプリの投与を行い、認知機能尺度やアルツハイマー病関連のバイオマーカー(生物学的指標)で効果を調べた研究をご紹介します。
Effects of vitamin D supplementation on cognitive function and blood Aβ-related biomarkers in older adults with Alzheimer’s disease: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
アルツハイマー病高齢者の認知機能やAβ関連バイオマーカーに対するビタミンDサプリの効果
中国のランダム化(二重盲検の)比較試験と呼ばれるデザインの研究で、210人のアルツハイマー病高齢者を対象としています。
12か月間、800IUのビタミンD投与を行い、偽薬との違いを調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・アルツハイマー病関連の血液検査で分かる尺度(血清中のAβ42, APP, BACE1, APPmRNA, BACE1mRNA )は、ビタミンDを投与したグループで明らかに低下しました。
・各種認知機能検査や知能指数の測定で、ビタミンDを投与したグループの方が高くなっていました。
要約:『高齢期のアルツハイマー病患者にビタミンD投与を行うとバイオマーカーや認知機能尺度で良い効果を認めるかもしれない』
昨日ご紹介した研究では、投与量による効果の差異は不明でしたが、今回のような投与の有無による違いを調べる研究計画では、違いがはっきりしたのかも知れません(対象も今回は、アジア人でアルツハイマー病の高齢者を対象としており、様々な要素が違いを生んでいる可能性があります)。
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