広い年代でCOVID-19によるパンデミック期間中の精神衛生の悪化が指摘されていますが、影響の出現には様々なかたちがあるようです。
今回は特にイギリスにおける高齢者について、ロックダウン期間中の精神衛生の変化を調べた研究をご紹介します。
イギリスのパンデミック期間中における高齢者精神衛生と福祉の中長期的変化
イギリスにおける研究で、5146人(平均67.7歳 52.9%が女性)が対象となりました。
うつ・不安・生活の質・孤独感について、パンデミック期間の前後について比較しました。
パンデミック前とパンデミック期間(2020年6~7月)を比較した結果として以下の内容が示されました。
①治療対象となるうつ症状の割合は12.5%→22.6%(11月にはさらに悪化して28.5%)と変化した。不安・孤独感・生活の質の悪化を伴っていた。
②特に伴侶のいない女性であること、、経済的な困窮があることが精神衛生の悪化につながっていた。
つまり、“パンデミック期間中に高齢者では、うつ・不安症状の大きな悪化を認め、特に孤独な女性や経済的困窮がある場合には注意を要する”と言えそうです。
今後も、社会構造の変化や経済的な影響が大きくなる可能性があり、年齢ごとの環境に応じた精神衛生の対策が必要であると感じました。
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