てんかんや疼痛に使用されるガバペンチンという薬剤がありますが、アルコール依存症に対する(離脱を助け、アルコールをやめやすくする)効果が知られている。
今回は、ガバペンチンのアルコール依存症に対する効果がどのようなしくみでおこるのか、画像的検査を用いて調べた研究をご紹介します。
前帯状皮質背側部のGABAやグルタミン酸濃度とアルコール使用障害での断酒期間の関連で調べたガバペンチンの効果
アルコール依存症(使用障害)の68人が対象となりました。
3日間の断酒の後、ガバペンチンを服用するグループと偽薬のグループに分け、4週間の経過を調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①画像検査で確認したところ、ガバペンチンのグループでは脳の前帯状皮質背側部と呼ばれる部位でのGABA濃度の低下とグルタミン酸濃度の上昇が起こっていました。
②上記の変化が起こっている場合のほうが、観察期間中のアルコールを飲まない日が多くなっていました。
つまり、“ガバペンチンを服用すると、アルコールをがまんできる日が多くなり、これは脳のグルタミン酸・GABAの濃度変化というしくみを持っているかもしれない”と言えそうです。
今後も、検証が必要と思われますが、ガバペンチンは脳でアルコールを飲まずにいられる状態を作る手助けをしてくれるようです。
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