抗うつ薬による効果が乏しい“治療抵抗性”のうつ病について行われる治療法として、海外ではケタミンとECTが治療選択の候補に挙げられます。
今回は、ケタミンとECTについて、効果や副作用の割合を調べた研究(複数の研究をまとめたメタ・アナリシス)をご紹介します。
Ketamine vs Electroconvulsive Therapy for Major Depressive Episode
A Systematic Review and Meta-analysis
うつ病エピソードに関するケタミン 対 電気けいれん療法
5本のランダム化比較試験が分析の対象となりました(ケタミン141人、ECT137人の参加者を含む)。
治療1週間後における反応率・寛解率を基準とした治療効果、ECTで問題となることのある認知機能を含んだ副作用について比較をおこないました。
結果として、以下の内容が示されました。
・(方法として問題のある3本の研究を除いた結果)ECTのほうが、ケタミンよりも反応率、寛解率で優っていた。
・認知機能への影響は両者で差異はなかった。
要約:『ECTの方が、ケタミンよりも早期の治療効果で優っており、副作用の差異はないかもしれない』
特にECTについては今後も、日本では実施できる施設が限定されると思われますが、客観的な評価を検討すれば、有効性の高い選択肢であると考えられました。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
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