腸の細菌叢などの腸内環境と脳機能との相関が注目されており、認知症やうつ症状等についての関連が指摘されてきました。
今回は軽度のうつ症状に関して、サプリメントと腸内細菌の服用が効くかもしれないという内容の研究を紹介します。
S-アデノシルメチオニンと腸内細菌(ラクトバシラス)の投与で軽度のうつ症状が改善する
軽度~中等症のうつ症状がある患者90人(18~60歳)を二重盲検(投与する側とされる側の両方が実薬か偽薬か知らない状態)で、ランダムにS-アデノシルメチオニンと腸内細菌(ラクトバシラス)を投与するグループと偽薬のグループに分けました。
上記のようなグループ分けで投与開始から2週と6週にうつ症状の評価尺度(ZungのSDS:40点以上がうつ病、最高80点)を行いました。
結果として、2週においても、6週においても明らかに、サプリ+腸内細菌のグループがうつ症状の軽減を認めました。その差異は2週において2.78点、6週において3.55点でした。
評価尺度を部分的にみると、不安や身体症状に対する効果も認められていました。
今後、軽度のうつ症状に対して、腸内細菌に対するアプローチが選択できるようになる可能性を感じました。
#うつ病
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