うつ病(症状)に対するTMSの効果は、証拠が集積されており、シータバーストと呼ばれる比較的新しい方法でも確立されています。
しかし、双極性障害(躁うつ病)についてシータバースト法が有効なのかについては、まだ分かっていません。
今回は、双極性障害についてシータバーストによる磁気刺激の効果を調べた研究をご紹介します。
Efficacy of Active vs Sham Intermittent Theta Burst Transcranial Magnetic Stimulation for Patients With Bipolar Depression
A Randomized Clinical Trial
双極性感情障害(躁うつ病)に罹患した37人(平均43.86歳)が対象となりました。
シータバーストによる磁気刺激を行うグループと、偽刺激を行うグループに分けて、その効果を比較しました。
結果として、以下のことが分かりました。
・うつ症状の尺度(MADRS)で測定した結果、シータバーストと偽刺激で明らかな差はありませんでした。
・症状が改善した割合(反応率)も両グループで大きな差はありませんでした(偽刺激のほうがやや良い結果)。
・シータバーストを施行した例で、大きく躁転(躁状態に転じた状態)した場合がありました。
要約:『双極性障害(躁うつ病)で、シータバーストによる有効性は明らかではない』
他の方法での磁気刺激(rTMS)では、双極性障害に対する効果が確認されていますが、シータバースト法では、治療効果に差があることが考えられました。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
rTMS治療:
YouTubeチャンネル(オンライン講座):https://www.youtube.com/channel/UCd8RS50q_Ol_x82AL9hhziQ
Comments