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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

ペットは社会的喪失による影響を軽減するか?


ペットの存在によって配偶者を亡くす等の深刻な喪失が慰められることは、一般的にあり得ることのように思われます。


ただ、このような領域に関して現在のところ明らかな影響を示した研究は乏しくなっています。


今回は、配偶者の死によって生じる影響が、ペットの存在によって変化するのか調べた研究をご紹介します。


ペットを所有することによる社会的喪失後の心理的健康に関する効果


アメリカで2006~2014年に行われた、“健康と引退生活に関する研究:Health and Retirement Study (HRS) ”という調査データを用いた研究で、うつ症状については437人、孤独感については332人のデータが用いられました。


結果として、以下の内容が示されました。

①うつ症状に関して(“CES-D”と呼ばれるうつの一般的指標を用いた)評価したところ、配偶者の喪失によるうつ症状の増加が、ペットがいる場合には軽減していた。(2.580 vs 1.207)

②孤独感に関しては、ペットのいない場合は明らかに配偶者の死によって増加していましたが、ペットのいる場合には増加が明らかではありませんでした。


つまり、ペットがいるとうつや孤独感を明らかに和らげてくれる効果があるようです。


高齢でペットを飼うことについては、動物のケアが十分に最後まで行えるかという問題もあり難しいところですが、一般的なイメージと違わず、ペットが喪失後の精神的支えとなってくれる側面があるようです。



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